秋の便り
7階にある、私の職場。
眼下に広がる町を
うむうむと、眺める。
川東の森や小公園の木々が、四季折々に変わりゆく様を
こそっと見守っている。
銀杏の木。
それはそれは立派な金の鳥をはばたかせながら、
ゆらりゆらりとゆれている。
圧巻なのは、朝焼けと夕焼け。
今日、日が沈む数十分前から、東の空と西の空を交互に
染まる空を眺めてた。
窓にへばりつき、大好きな人たちは、見てるかなぁ、と。
そんなことをにやりしながら考えて、我に返って
ナースステーションに戻ろうとしたとき、
うしろに涙顔の女学生が頬杖をついて座っていた。
突然、お母さんが10時間に及ぶ頭の手術をうけることになったからだ。
彼女は何を考えていたのだろう。
なんだか、私は、今までの行為を少しばかり悔やんだ。