歩き、歩いても



元気に過ごしていた女の子。
今回の手術がマイナスな結果となって歩いて家に帰ることが出来なくなった。
ホルンも吹けなくなった。勉強も出来なくなった。
目も開かないし、お話も出来ないし、笑うことも出来ない。


病院から駅に向かうにぎやかな通りを私もこのこの両親と同じように歩く。
両親は面会後どんな気持ちで歩いてるのだろうか、といつも想像しながら歩くのだけど、
私が想像なんて出来るはずもなく。とても胸がいたくなる。


前に、「おばあちゃんが亡くなったときに看護師さんがかけてくれた
言葉、今も覚えてる。」と、ある人が話してくれたことがあった。
看護師さんというのはそういうものだ。
と、この話をきっかけに思うようになった。

これから何十年と両親はこのこの介護をしていくことになるのは必至なわけで。
その中でたくさんの看護師さんと関わることも必至なわけで。
相変わらず涙もろく感情のコントロールが苦手な私なのでお母さんと涙したことも多々あったけど、
でも、これからの生活の中で一番最初に関わった私の看護が嫌な思い出にならないように、と思いながら
過ごす今日この頃だった。