母と子


夜遅くの飛行機で実家に帰った。
いつも降り立つ空港とは違って、空は真っ暗、久々にオリオン座を見た。
オリオン座は冬の星座だった、とそんな当たり前のことを冷たい空気を吸いながら夜空をみあげてひとりものおもう。


友人の両親が迎えにきてくれて家路をゆく。
次第にネオンや街頭が光り、星空に浸る時間はほんの少しだった。


夜遅くだったにも関わらず母さんは起きてくれていて、いつものようにお土産を広げ、
あったかい紅茶をすすりながらたまっていた近況を話した。
夜が明けるまで話しながら、なんだか特別な時間、というのをしみじみと感じた。


姪は隣で花子と寝ている。
姪が大きくなったとき、母親とこんな風におしゃべりが出来ない事実は考えないでおこう、
と思うのだけど、寝顔をみていると切なくなったり、淋しくなったり、私は姉のかわりに
なれるのかな、と、頭が混乱するのであった。