電車を見下ろしながら、考える



いつも、北海道に戻りたい、と考えている。



顔と顔が数センチしかない混雑の山手線にのって、あるいは、
お昼過ぎのすいた時間にぽつんと座って騒がしい町を見ながら電車に
乗っていると、私は本当に夢の中にいるような錯覚に陥る。



ホームで電車を待ち、目の前をものすごいスピードで走っていく
電車をみていると、なんだか吸い込まれそうになって、
いつも、身震いしそうなほどおっかなくなる。


やっぱり、この街に私は合わない、のだとおもう。


北海道の大好きな町や、牛のいる町、星の降る町に引っ越したい、
他にもアラスカやアフリカに行きたいとか、留学したい、とか、
行動を起こそうと思えば起こせる単純なものを、私は複雑にこんがらがせた挙げ句、しないし、出来ない。
具体的に調べて想いが強くなればなるほど、その実現力は著名に低下していくのである。





私は、そんな気持ちを紛らすために、嫌いなはずの大都会に足繁く通い、
雑踏に紛れてあてもなく歩き続ける。

そこらで過ごした時間も場所も自分へプラスの要因になっているのは
確か、なのだけど、やっぱり自然や共感出来る人たちの存在やパワーは
私にとって一番必要、なのだと痛感する日々である。




おかげで靴擦れが沢山出来た。