福岡へ


今月は北へ南へと大移動な日々である。


数ヶ月ぶりに再会した母は、いまおばさまたちの間で
流行中だとかいう、かの総理の奥様・みゆき夫人の
みゆきカットなるものになっていて、本人はたいそう
うれしそうに、目ん玉丸めた私に、いま記した説明を
るんるんと、「みゆきカットなのよー」
と話ていたが、娘の私からみると、クレオパトラならぬ
市松人形なのである。
絶句したのち、思わず、「変」だと言ってしまった。
が、強靭な母は、「今は夜だからこんなだけど出かける
ときは、、(続く)」と頭を触ってみせる。実に頼もしい。


続いて、奥から出てきたのは、ラップちゃん頭の姪っこ。
こちらは、誰もが認める可愛さ。
前髪が一段と短くなってラップちゃんそのもの。
あどけない笑顔とおかっぱがすごく似合っていて、
可愛いったらありゃしない。大きく深く抱きしめた。


我が家の女衆、すべて、おかっぱになった。


そして、花子ちゃん。
やせ細って歩くのもやっと。一年に一度の帰省でも
絶対に忘れることのなかった私のことを、完全に忘れ、
帰ってきたことにも気づかないでいる。
母のぼけた話を目で見て確認し、目頭が熱くなった。